
「オーナー=経営だけして自由に暮らせる」は嘘
「独立すれば自由な働き方ができる」
「コンビニ経営ならシフトに入らず店を管理するだけ」
そう思っている人は多いですが、現場のリアルはまったく逆です。
結論から言うと、コンビニオーナーは働き方の自由度が最も低い仕事のひとつ。
理由は単純で、
・人手不足
・責任の重さ
・トラブル対応
・本部との契約縛り
がすべてオーナーにのしかかるから。
実際のオーナーの1日の流れを「早番の日」「遅番の日」「トラブル発生日の3パターン」で紹介します。
読み終わるころには、「オーナーは自由で楽」というイメージは完全に消えているはずです。
【ケース1】早番オーナーの1日(5:00〜22:00)
▼5:00 起床・店舗へ直行
深夜バイトがいない場合、早朝にオーナーが出勤。
コンビニは朝5時〜8時が通勤ラッシュで最も忙しい時間帯。
▼6:00 商品陳列・レジ・コーヒー準備
この時間は、ワンオペ率が高く、休む暇なく回し続けることが多い。
▼8:00 レジピーク終了後に在庫確認
パン・おにぎり・チルド商品の在庫チェック。
仕入れミス=廃棄=オーナー負担なので、ここは神経を使う。
▼10:00 休憩のはずが…休めない
やっと休憩の予定だが、
・スタッフ欠勤
・本部のSV訪問
・宅配の大量入荷
などで休憩ゼロになることも。
▼12:00〜15:00 発注作業
発注はコンビニ経営の心臓。
売れる量の読み間違いは利益直撃。
ここもオーナーが管理する必要がある。
▼16:00〜18:00 シフト調整・面接
急な欠勤の連絡、学生バイトのテスト期間、最もストレスが溜まる業務がここ。
▼19:00 再度現場に入り、レジ・清掃
夜のピークで忙しい。
結局、1日合計10時間以上店に立つことも普通。
▼22:00 帰宅
この時点でヘトヘト。
「自由どころかサラリーマンより拘束時間長い」と感じる瞬間。
【ケース2】遅番オーナーの1日(12:00〜深夜2:00)
深夜のワンオペを避けられる人がほぼいないため、遅番はさらに過酷。
▼13:00 昼の納品ラッシュ
ドリンク・お菓子・雑誌・常温食品...。
大量の商品が来る時間帯で、ひたすら棚入れ。
▼18:00〜22:00 夕方ピーク
主婦層・学生・仕事帰りの客が押し寄せる。
レジ・ホットスナック管理・揚げ物・コーヒー...。
やることが終わらない。
▼22:00〜0:00 深夜の業務開始
ここからがハード。
棚替え・清掃・ゴミ処理・マイナスチェック。
通常のコンビニは深夜の作業量が多く、店長クラスが入らざるを得ない。
▼1:00 日報チェック・売上確認
売上の数字チェックはオーナーの責務。
この時間までデスク仕事が続く。
▼2:00 帰宅
睡眠時間は4〜5時間。
翌日の朝も電話対応あり。
「自由」ではなく24時間労働。
【ケース3】トラブル発生日の「本当の地獄」
コンビニ経営の本番はトラブルが起きた日。
※実は月に2〜3回は何かしら必ず起きます。
▷ バイトが当日欠勤
→ オーナーがそのまま10時間勤務
→ 結果、前日の疲労をそのまま引きずる
▷ 防犯トラブル(万引き・暴言など)
→ 警察対応で2〜3時間拘束
→ その間の店舗はシフト崩壊
▷ コーヒーマシン故障
→ 清掃・再起動・本部連絡で30分
→ 客の列が長くなりクレームへ発展
これらの対応は全部オーナーの責任。
精神的な消耗が最も大きい日です。
コンビニオーナーが「自由じゃない」理由
1. 人手不足で現場に入らざるを得ない
→ 「経営者」ではなく「主力アルバイト」状態になる
2. 本部との契約で24時間営業が必須(選べない)
→ 深夜帯を誰かが埋める必要がある=最終的にオーナーが入る
3. トラブル対応はすべてオーナー
→ 本部は「管理者」ではなく「取引先」。助けてはくれない
4. 自分が休む=店が回らない
→ 休むために人を増やすと人件費で赤字
つまり、コンビニ経営は自由の対極にある働き方なのです。
まとめ:自由を求めて始めると後悔する
もちろん、しっかり利益を出しているオーナーもいます。
しかしその多くは、
・家族でシフトを固めている
・発注と人材管理の数字に強い
・従業員育成がうまい
など、経営者スキルを持っています。
逆に言うと、
「自由に暮らしたい」
「現場に立ちたくない」
という理由で始めると、ほぼ確実に後悔します。








