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夫婦で始めたコンビニ経営が崩壊した話:リアルすぎる夫婦経営の落とし穴

「夫婦でやればうまくいく」と信じていた

コンビニのフランチャイズ説明会。

「夫婦で協力すれば黒字になりやすいですよ」

「ご夫婦で店を回している成功例が非常に多いです」

そんな本部の言葉に後押しされて、Aさん夫婦(30代)はコンビニ経営を始めました。

お互いに、

・飲食店での接客経験あり
・子どもは小学生で手が離れ始めている
・夫は脱サラ希望

という、よくある理想的な加盟者モデル。

しかし、オープン後わずか半年前後で、夫婦の関係は完全に崩れていきました。

実際に起きた「夫婦経営の落とし穴」と、失敗に共通する心理を紹介します。

夫婦が最初に壊れるのは「シフト」

経営を始めて最初にぶつかる壁は、シフトの偏りです。

開店直後はバイトが定着しません。

当然、店を回すのは夫婦が中心になります。

  • 朝の品出しは奥さん
  • 夜のレジは旦那さん
  • 深夜の作業は交代制
  • 欠勤対応はどちらかが必ず出勤

特に深夜帯の埋まりにくさは夫婦経営の最大のストレス。

気づけば、

「私の休み、いつ?」

「なんで私だけ長時間なの?」

という不満が積もり、家庭内での会話は店の愚痴ばかりに。

夫婦経営は仲がいいからこそ始めるのに、シフトの偏りで関係が崩れる。

これは驚くほどよくある失敗例です。

お金の話で必ず揉める

夫婦で店を持つと、家計と店舗のお金が混ざりやすくなります。

とくに多いのが、「お店のお金をどこまで生活費に回すか」問題。

売上が上がっていても、

・ロイヤリティ
・人件費
・光熱費
・廃棄

で、利益は思っている以上に増えません。

最初の数ヶ月は「なんとか回っている」状態でも、想像より手残りが少ない現実に、夫婦で視点がズレ始めます。

旦那:「もっと売上を伸ばさないと」

妻:「これ、生活できるの?子どもの教育費は?」

経営と家庭が同じ空間にあることで、「数字への向き合い方の違い」がそのまま夫婦関係に亀裂を入れます。

役割分担が「不公平」に感じ始める

最初は2人で頑張るつもりでも、店が回り始めると役割の偏りが固定化しやすいのがコンビニ経営。

たとえば、

  • 発注や在庫管理は妻の担当に
  • 面接や人材教育は夫
  • レジと品出しは一緒に
  • クレーム対応は夫が対応しがち

お互いに得意不得意があるため最初は合理的に分担しますが気づけばどちらかに負荷が偏り、

「私ばっかりやっている感」

が、蓄積します。

こうした「小さな不満」が毎日積み重なると、夫婦関係は静かに壊れていきます。

本部やバイトのトラブルで「責任の押しつけ合い」になる

ある日、深夜シフトのバイトが無断欠勤。

Aさんの奥さんは急遽出勤し、朝まで勤務。

その後、旦那さんは、

「なんで無断欠勤を許したんだ?」

「面接の時にちゃんと確認してないからだろ」

と言い出す。

逆に奥さんも、

「じゃああなたが全部面接したら?」

「なんで相談なしに発注してるの?」

本部とのトラブルやクレームが起きた時も同じ。

「あなたが悪い」

「いや、そっちの担当だろ」

と、責任の押しつけ合いが起きやすく、これが決定打になる夫婦は少なくありません。

夫婦経営が崩壊する心理パターン

夫婦でコンビニが続かなくなるケースには、共通する心理があります。

① 「パートナーならわかってくれる」という甘え

ビジネスなのに、感情で話してしまう。

② お互いが「限界」でもそのことを言いにくい

家族だからこそ遠慮する。

③ 現場の疲労がそのまま家庭に持ち込まれる

家に帰っても店の話。休息がない。

④ 「相手のせい」にした方がストレスが軽くなる

心理的な逃げ場としてパートナーを責めてしまう。

この4つが連鎖すると、店舗だけでなく夫婦生活自体が壊れてしまいます。

では、夫婦経営を成功させるには?

すべての夫婦が失敗するわけではありません。

成功する夫婦には明確な共通点があります。

① 役割分担を「システム化」している

感情ではなくルールで回す。

② 月ごとに「夫婦会議」を開いて収支と人材の課題を共有

不満をため込まない。

③ 必ず外部スタッフを育て、夫婦だけで回さない

2人だけで回そうとすると崩壊する。

④ 夫婦それぞれに「休む日」を必ず確保

家族を守るための経営が必要。

つまり、夫婦経営を乗り越える鍵は「第三者を入れること」と「感情ではなく数字の共有」。

夫婦だけで戦うと、ほぼ間違いなく疲れ果ててしまいます。

まとめ|夫婦経営は甘くない。でも準備すれば戦える

夫婦で店を持つのは素晴らしい挑戦ですが、コンビニ経営は「愛情」や「絆」だけで乗り越えられるほど簡単ではありません。

むしろ、夫婦関係が最初に壊れるタイプのビジネスとも言えます。

でも、

・役割の可視化
・数字の共有
・外部スタッフの育成

さえできれば、夫婦経営は強い武器になることもあります。

「夫婦ならうまくいく」は幻想。

「夫婦だからこそ仕組みが必要」なのが、コンビニ経営の現実です。

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